飛行機の機内に荷物を持ち込めないときは、受託手荷物として預けることになりますよね。
その荷物が少し高価だったり、大切なものであれば、万が一破損していた場合の保証や、スタッフにどんな扱いをされるか気になるのではないでしょうか?
その時におすすめなのが「従価料金制度」です。
従価料金制度とは、申告する荷物の値段に応じて料金を支払うことにより、航空会社の過失による補償額をアップすることができる制度です。
ここでは、従価料金制度について詳しく解説いたします。
この記事がオススメの人
・手荷物を壊したくない人
・手荷物を預けるのが怖い人
・飛行機で輪行をしたい人
従価料金制度とは?
従価料金制度とは、手荷物や身の回り品に対する航空会社の賠償補償額を増やすことができる制度です。
従価料金制度を利用しなくても、多くの航空会社では手荷物に対してデフォルトで15万円までの補償が付いています。
しかし、実際の手荷物の価格が15万円を超える場合に、申告する価格と15万円の差額1万円あたり10円を支払うことで、空輸による破損時の補償額をアップすることができる制度です。
従価料金制度がある航空会社
この制度はIATA(国際航空運送協会)で定められており、IATAに加盟している全世界の航空会社で使用することが可能です。
ですが、LCCと言われる格安航空会社は加盟してないところもあり、使えない場合があります。
日本の航空会社の対応は次の通りです。
航空会社 |
従価料金制度 |
基本補償額 |
ANA |
○ |
15万円 |
JAL |
○ |
15万円 |
Air Do |
○ |
15万円 |
スカイマーク |
○ |
15万円 |
ソラシドエア |
○ |
15万円 |
スターフライヤー |
○ |
15万円 |
IBEX |
○ |
15万円 |
FDA |
||
ジェットスター |
× |
|
ピーチ |
△(国際線のみ) |
15万円 |
バニラエア |
△(国際線のみ) |
機内持ち込みができる手荷物のサイズは?
壊れやすいものや高価なものは手荷物として機内に持ち込むのが安心ですが、持ち込めるサイズや重さは飛行機のサイズごとに規定されています。
このサイズを超えてしまう場合は、受託手荷物として荷物を預ける必要があります。
・座席が100席以上の飛行機
3辺の合計の長さが115cm以内かつ10kg以内まで
・座席が100席未満の飛行機
3辺の合計の長さが100cm以内かつ10kg以内まで
従価料金の金額
申告する荷物の金額から元々付帯される補償額を引いた金額の1万円ごとに10円をかけた金額です。
例えば、35万円の荷物を預けるとすると、
30万円 - 15万円(デフォルト)= 20万円
1万円ごとに10円なので
20 × 10円 = 200円 となります。
申告する金額(荷物の金額)にもよりますが、数十円〜数百円の支払いで済むことがほとんどではないでしょうか?
従価料金制度の利用方法
従価料金制度を利用するには、空港カウンターで手荷物を預ける際に「この手荷物に従価料金制度を利用したい」と伝えましょう。
大きな空港にある自動の荷物預け機では対応できません。
他の記事によると、空港スタッフの中でもあまり浸透されていないのか、従価料金制度を知らず、「重量超過手荷物料金ですか?」などと聞かれることがあるようです。
その際は、「15万円の補償額では足りない荷物であるため、料金を支払って補償額を上げたい」など言えば対応してくれるでしょう。
従価料金制度を利用すると荷物の扱いが変わる?
従価料金制度を利用すると、高価な手荷物と認識され、他の手荷物より丁寧な扱いをしてくれます。
通常、受託手荷物のスーツケース等は他人の荷物と共にコンテナ内に積み上げられます。
これだと傷がついてしまうのも納得です。
いっぽう、従価料金制度を利用すると高価な手荷物と認識され、他の手荷物より丁寧な扱いをしてくれます。
具体的な対応は、航空会社や荷物にもよりますが、
・荷物を積み重ねないように配置を考えて搭載してくれたり、
・荷物のサイズに合ったケースを用意してくれたり、
・受け渡しはレーンに乗せるのではなく、手渡ししていただけたりします。
従価料金料金制度は輪行にも応用できる!
丁寧な荷物の扱いを期待して、自転車を預けることも可能です。
自転車好きであれば、飛行機を使用した輪行(自転車を交通機関に乗せること)で旅先をサイクリングしたいと考えるのではないでしょうか?
自転車は従価料金の保証対象ではないものの、丁寧な扱いを依頼するという意味合いを込めて、あえて従価料金を支払う価値はあるでしょう。
飛行機で輪行する際は、輪行袋に入れてないと預かってもらえません。
タイヤの空気を抜くことを忘れずに!
飛行機の中は高い高度を飛ぶため、与圧といって機内に空気圧をかけた状態で飛びますが、0.8気圧程度で、地上よりは低い気圧です。
これにより、タイヤが通常より膨らんでしまいパンクすることを防ぐ必要があるため、必ず空気を抜くようにしましょう。
電動自転車のバッテリーは持ち込み不可!
そもそも、電動自転車を輪行する方は少数派でしょうが、
電動自転車に搭載されるバッテリーは、モバイルバッテリーと同じリチウムイオンバッテリーです。
モバイルバッテリーは預けることは不可能でも、機内持ち込みはOKです。
しかし、持ち込めるバッテリー容量は航空会社で規定されており、ほとんどの電動自転車のバッテリーはその規定を上回るため、持ち込みNGです。
前もって宅配便で、旅行先に送るしか方法はないでしょう。
「特別旅客料金」という手もあり!
「従価料金制度を使用して、荷物の扱いが艇になるとは言ってもどーしても不安!」
という人は「特別旅客料金」を利用するといいかもしれません。
特別旅客料金とは、荷物用に座席を予約することで、機内持ち込みが不可能な荷物を持ち込むことが可能です。
ただし、座席のシートベルトに固定することが出来ないと持ち込みできませんので注意が必要です。
料金も普通席は11,500円(一部路線や他航空会社によっては約5,000)と通常の席よりも安めです。
例えば楽器や精密機器は非常にデリケートなので特別旅客料金制度を利用する人がいるとのこと。
どうしても壊せない荷物ならば検討してみてはいかがでしょうか?